【PDA-05B レビュー】色々雑だが使えなくはない。やっぱりスマホナビのほうがあらゆる面でラク。

3.5
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2023年6月現在、そろそろデイトナからモトスマートモニターが発売する(?)という状況下、あえてそれを回避して怪しい製品を入手してみる試み。
ソレこそが本ブログに期待されているものと勝手に認識している。

ということで日本名はPDA-05B(CarPlay)、海外名は有象無象の本製品をレビューしていきたく思う。
なお、PDA-05Bは日本での発売が2023年7月に予定されており、執筆時点では入手不可となっている。
包み隠さず本機をレビューしていくので、これから購入を検討しているライダーの皆々様方は参考にしてほしい。

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PDA-05B の基本データ

PDA-05B について

PDA-05BはApple CarPlay、Android Autoに対応したバイク用5インチモニターだ。
3万円以下という低価格でありながら各アプリの使用ライセンスを保持した”まっとうな”製品である。

なお本製品は中国では半年ぐらい前から出回っている製品であり、しかもどうやらOEM(?)らしく、様々な企業が独自の製品名で好き勝手に展開が行われているという状況。
中国市場では乱雑に同製品と思われるモノが溢れており、かなりカオスな状況となっている。

そんな中、日本では三金商事株式会社が代理店としてPDA-05Bとして扱いを初めた様子。
中国市場ではIPX7として展開されている本製品であるが、独自で防塵テストを行ったのかなんなのかは知らないが、IP67規格で展開が行われている。
バイクでの使用下において特段問題が無いであろう防水防塵規格での展開となるので、国内ユーザーに至ってはそれなりに安心感があるものではなかろうか。

で、今回本ブログでは中国よりPDA-05Bと同製品の「maxca xplay c5 pro」を個人輸入した次第。
UIは若干異なるが、できることや使用感はほぼ同じ。
しかも国内で買うより1万円も安い。

ちなみに、2024年3月の今更に、国内バイクアクセサリーメーカーであるキジマが本機を採用した製品を扱い出す模様。
なんか色々遅すぎて草。

PDA-05B の外観

まずは外箱から。
どんな製品名で展開されても構わない、という無難で汎用性の高い箱。
クソデカ防水ナビゲーター!のロゴがそれを物語っている。

中身は上記。
固定具はU字クランプのみ。

通電部は上記のとおり。
USB給電とバッテリー給電のケーブルが付属している。
USB給電は勿論受電部がただのUSBなので防水加工はされていない。
しかもケーブルは短く設けられており、バイクのフロント部に直付けすることを想定している様子。
雨天時の使用が全く想定されていないのはナンセンスだ。
必然的にバッテリー給電ケーブルを自分で加工して使用することが求められる。

UIは上記の通り。
見て分かる通りの操作が可能。
時刻は本体時間であり、設定しても完全に電源断されると初期化される。
ナビ使用時はスマホと連携されるのでスマホの時間が同期される。

筆者はAndroidユーザなのでAndroid Autoでの使用。
説明書を読まずとも設定やペアリングも感覚的に実施可能。

仮設置なのでフロントUSB給電環境で使用。

上記の通りAndroid Autoを何ら問題なく使用可能。
スマホの表示をまんま出しているだけなので、経路間違いや位置取得のズレもない。

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PDA-05B の良いところ

安定した動作

ナビ中に突然電源が切れるであるとか、GPSをロストするであるとか、あまつさえ動作が固まるであるとか、そういったものは一切発生しない。
本機が起動すれば、ペアリングした機種とも勝手に繋がってくれるので再設定の必要もない。
必要最低限の動作は全く問題なく動いてくれる。

またタッチパネルの感度はとても良好であり動きもスムーズ。
カクツキなどもないのでストレスも無い。
勿論感圧式パネルなので雨天での誤タッチ暴走も発生しない。

スマホが熱暴走しない…かも?

夏場のスマホナビは動作が不安定になりがち。
クソ暑い直射日光に晒され、しかもGPS取得に伴うスマホ自体の発熱により熱暴走を起こし、操作不能になる。
見ず知らずの土地でこの事象に陥るとガチで迷子になるので、これを回避できるのは大変に有益。
また本体にはバッテリーを搭載していないので、炎天下の使用におけるダメージも考慮不要。

…と記載したものであるが、使用環境によってはアチアチになるので注意。
理由については後述。

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PDA-05B の残念なところ

Android製品との相性がある

Android製品、というか、タスクキル機能が優秀なAndroidスマホとの相性が良くない。

特にXiaomi製品のような優秀なタスクキル性能を持っているスマホは、本機との接続時にPDA-05B側のアプリが機能不全を起こす。
具体的に挙げると以下の通り。

  • マップは起動するが目的地の設定ができない。
  • マップは利用できるが、それ以外がブラックアウトして無反応。
  • インカムと接続しても音声が聞こえない

これらは、予めスマホ側で利用予定のアプリを起動しておくことで対処可能。
Google Map、YouTube Music、ヤフーカーナビ、Amazon Musicなど、予め起動してバックタスクに配置しておく必要がある。
また、本機よりも先にインカムを起動し、待機状態にしておくことで対処も可能。
色々とめんどいが、このルールを守っておけばなんとかなる。

ちなみに、iPhoneやGoogle Pixelではこのような面倒は発生しなかったが、XiaomiやOPPOなどの中華スマホで発生するようす。
利用端末によってはこのような対応が必要になるということに注意が必要だ。

本体ボリュームキーが無い

本機はボリュームキー(ボリューム物理ボタン)が存在しない。
その為繊細なボリューム調整ができない。

ナビ音声が大きいな、と感じても咄嗟の対応ができない。
本機の設定画面を開いてソフトウェア的な変更を行う必要がある。
うーんめんどい。

窃盗が容易

本機は手回しできるビス一本のみで固定がされている。
つまるとこ、このビスを緩めてしまえば簡単に窃盗が可能。
本機の受け皿(充電器)は別途購入できるものなので、本体だけを盗まれる可能性は十分にある。

複数のバイクを所有しており、本機を使い回すのであれば大変に役立つものであろうが、それ以外であれば大変に”ガバガバ”な設計と言わざるを得ない。
うーんダルい。
まぁ1.6万円だし…いや、安くはないのか?もうわからん。

スマホのWi-FiとBluetoothの両方の接続が必要

何故か本機と接続する際にはBluetoothだけでなく、Wi-Fiの接続も必要となる。
しかもGPSはスマホから取得しているので、スマホ自身はBluetooth/Wi-Fi/GPSの情報をフルで本機へ供給することになる。
伴ってバッテリー消費が高まり、スマホのバッテリー切れが早まる。

3時間程度でこの消費具合。
本機と接続し始めてからの落下具合があまりにもわかりやすい。
勿論スマホはアチアチになる。
まぁ炎天下直射日光直撃環境よりはマシだろうけど、スマホ自体へのダメージを考えるとスマホナビとして使用した場合とそんなに変わらないような…。

スマホナビであればバイク自身からの給電でこの点はカバーできていたものであるが、こうなるとポータブルバッテリーの利用も余儀なくされ、余計な荷物が増えることになる。
しかもWi-Fi接続が強要されるため、他端末からのテザリングも行うことができない。
うーんしんどい。
GPSはともかく、接続はBluetoothだけでいいじゃん。

ただこの問題は恐らく”Android Autoの仕様”なのではという気もしている。
画面はWi-Fiでミラーリング、音声はBluetooth的な?
つまるとこコレは本機だけの話に留まるものではなく、モトスマートモニターでも同じになりえるということだ。

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PDA-05B の総評

色々雑だが使えなくはない。
スマホを壊したくないのであれば、本機の導入はアリ。
はっきり言ってスマホナビのほうが利便性が高いが、熱暴走しないのは利点。

防水を考慮するのであればバッテリー給電ケーブルのギボシ加工も必要になるし、設置場所やバッテリー上がり対策の考慮も必要。
それらを踏まえてまで本機の導入を行う必要があるか?と問われれば微妙。
スマホホルダーを設置して防水スマホを用意したほうが全然便利で楽と言える。

8/4
と言いつつ、本設置した。

詳細は以下を参照。

しっかりと丁寧なものを所望するのであれば、デイトナのモトスマートモニター(6万円)の登場を待っても良いとは思うが、それも結局はクソデカ7インチという扱いに困るサイズのものになる。
しかも内部動作はPDA-05Bと同等になるので、+4万も出す価値があるのか筆者的に疑問ではある。

2023/8/23
デイトナ モトスマートモニターは発売延期(実質中止)になった様子。
詳細はデイトナ公式を参照。

2024/4/5
デイトナ モトスマートモニターが発売される様子。

この半年の中で、様々な競合他社がスマートモニターを出してしまっている現状、かなり厳しい戦いになるのは明白。
この機種を狙う層は安価なPDA-05Bか、タイヤ圧もドラレコも高品質パーツで装備したMAXWINを選んでいるだろう。うーん遅すぎる…。

とにもかくにも、「ナビ用スマホを壊すのはもう二度とゴメンだ!」といった、スマホナビ運用に辟易している人には刺さるとは思う。
本機は間違いなくその不満を解消してくれるだろう。

ひとまず本機を導入してみて、自分の利用環境にあうかどうかを確かめてみるのもありかもしれない。
そこまで高いものでもないので、試してみる価値は十分にある。

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