【KZ ZAR レビュー】ZAの系譜で現状最高傑作。バランスの良さは過去一。

5.0
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またKZのイヤホンです。
ZAの系譜なので。

ということで、本ブログ常連のKZイヤホン新規メンバーを入手したので紹介していく。
これまで同様に購入に当たり事前調査はしていないが、名前からしてZAの系譜なので気の迷いではない。
もう何個目だかわからんけど、自分のブログを見返してみると11個目らしい。

KZ
「KZ」の記事一覧です。

で、このKZ ZARであるが、結論から言うととても良い。
ZAシリーズの中で最上位のバランスの良さを誇る大変優秀なイヤホンと言える。
そのように判断した理由について、以下レビューしていこうと思う。

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KZ ZAR の基本データ

KZ ZAR について

中国は深センに拠点を構えるKZ社(正式名称:Knowledge Zenith)から発売されている、
片側7BA+1DDの合計16ユニットの多ドラハイブリットイヤホンである。

ZAシリーズお馴染みの多ドラハイブリット機構であり、高音や中音を担当するBA(バランスド・アーマチュア)を7基、低音を担当するDD(ダイナミックドライバ)を1基搭載している。
このように異なる帯域を担当するドライバをそれぞれ搭載することで、幅広い音域表現かつ迫力のあるサウンドを出力することが可能となる。
当ブログでもZAシリーズはレビューしており、そのどれもで高評価をしている。

基本的にはKZ ZASをベースとした構成でありながら、出力の調整を行うためのPCBクロスオーバー回路が排除されてしまっているように見えるのが興味深い。
なんかこういうのって付いてる方が良いんじゃないの?という素人疑問ではあるのだが如何に。

BAは微妙に変更されている程度ではあるが、注目は新開発されたLegendary DD。
ZASと口径は同じだが、XUNとは異なる形状をしたDDを本機で搭載している。
このDDの性能についても注目したいところだ。

各グレードアップ箇所と、製品情報に関しては以下を確認してほしい。

KZ ZARKZ ZASKZ ZAX
高域BA30019s3001930095
中域BA50024s50024s50024
低域DD10mm Dual-magnetic Dynamic Driver.(New)10mm Dual-magnetic Dynamic Driver.7mm Dual-magnetic Dynamic Driver.
その他?Professional electronic frequency crossover.

KZ ZAR の外観

いつもの箱といつもの入り方。
流石に使い回しで飽きてきたな。

これまた一新されたデザイン。
なんだかギーガー味を感じて個人的には好き。

一圏七鉄混合駆动鉄耳机!いっこんななてつこんごうくどうてつみみつくえ!?
じゅうろくたんげんけんてつみみつくえじゃないのか?!誰だお前!!
もしやZAの系譜じゃないのかもしれない。

内容物はいつもの通り。
固くて謎に切れ込みの入ったいつもの質の悪いイヤピを装備。
ケーブルはZASと同じものかな?

御姿。うーんギガ味。
無機と有機の中間を感じるデザインでキモくて良い。

ミチミチ感は正直少ない。
どちらかというとZSXに近い印象をうける。

2重のレジンとフェイスプレートからなる構成とステム部分はZSXと同様でありながら、形状と配線具合はZSXという具合。
2機種のキメラ感を感じるので、後述で比較していく。

体重測定。7.4gを記録。
ZASが5.3g、ZAXが6.3g、ZSXが6.8g。
だいぶ…鍛え上げてきたな。

ZAS、ZSXと比較

左から、ZSX、ZAS、ZARだ。

並べて比較してみるとわかりやすい。
ZASで確認できたPCBクロスオーバー回路はZARではやはり排除されているようだ。
そして形状はZSXと似ていると思ったが実際はそうではなくZASに近い様子。

ZASと比較してみるとステムの口径とフィルターに変更が見られる。
ZASのレビューで「ステム細すぎ」としていた筆者的には嬉しい変更点だ。

ドライバの配置はほぼ同じ。ドライバ数は勿論同じ。
つまり、ZASから変更された点は以下の通りとなる。

  • 高音域BAのグレードアップ
  • 低音域DDのグレードアップ
  • ステム部の口径が大きい
  • フィルターの変更
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KZ ZAR の良いところ

ZAシリーズ譲りの解像度とパワフル感

ZAシリーズお馴染みのバカみたいなパワフル感とバカみたいな高解像度による、バカみたいな音場。
今まで聴こえなかった音や新たな表現の発見など、聴いていてとても楽しく面白い。

で、この「音楽を楽める」という要素がコレまでのZAシリーズとは段違いで強い。
今までのZAシリーズのようなバカみたいな出力をただ行うのではなく、若干の知性を感じる事ができる。
少し大人になったZASというか、物事の良し悪しを若干把握したZASというか、”少し落ち着いたバカ”なのだ。
なんだこれ褒めてんのか?

ともかく若干常識的になったことで、ZAシリーズ譲りの解像度とパワフル感が大変良い方向に進化している。
聴き疲れもしにくくなり、圧迫感もかなり少ない、そうでありながらZAシリーズの特徴を残しつつ理想的な出力具合に収まっている。
うーん面白い。

バランスの良さはシリーズ過去一

本機はKA ZASとほぼ変わらない性質を持っている。
のではあるが、音の傾向についてはだいぶ異なっている。

まず何かが突出しているということがなく、全音域で大変にバランスが取れているということが挙げられる。
ZASでは兎にも角にも低音低音!という感じではあったが、本機では低音は出すところで出す、という具合に若干控えめになっている。
その些細な変更は大きく、ドライバ構成は変わらないにも関わらず中高音域の響きがかなり前に出てきている印象を受ける。
ZAXやZASで感じられていた「金属味」も本機ではだいぶマイルドになり、無駄な響きが抑えられているのも好印象。
伴って女性ボーカルやクラブ系の音楽のリスニング時の聴き疲れも低減され、どんなジャンルもかなり聴きやすくなっている。

それでいてZAシリーズのパワフルさは健在なのだから素晴らしい。
ZAシリーズが得意な低音をベースに、女性ボーカルが入り乱れる曲などは本当に面白く聴ける。
以下楽曲等との相性は抜群。

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KZ ZAR の残念なところ

やっぱり、ケーブルとイヤーピースは買い替え必須

もうイチイチ書かなくてもいいか?
今までのKZ製品同様、品質の良くないケーブルとイヤピがついてる。
理由はコレまでと一緒。

マジでリケーブルとイヤピ交換は必須。
最近の筆者環境では、以下が戦力に加わったのでもっぱらコレを使用している。
本機の大きく重い筐体を快適に支えつつ、より優しい出力が可能となっている。

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KZ ZAR の総評

ZAシリーズで現状最高傑作。
バランスの良さは過去一で面白さもピカイチ。

なんかもう付属品の残念さとかどうでも良くなるぐらいに好印象だ。
今までの「とにかくパワー!」というZAシリーズから一歩踏み出した本機の成長は大変に興味深く、これからの進化にも期待ができるというもの。
しかして昨今の中華イヤホン戦国時代を生き抜くためには妥当な進化と感じる一方で、なんだかこのまま無難な進化を遂げてトガリの無い製品になっていかないでくれよと杞憂を生む製品でもある。

KZはこれからも楽しませてくれそうだ。

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