バイクナビ(カーナビ)に相応しいスマートフォンとは何かを考える

ツーリング先に出かけると、大抵のバイクにはスマホホルダーがくっついている。

それも当たり前の話で、スマホには優秀なGPSが標準で装備されており、優秀なカーナビアプリが豊富に揃っているからだ。
更には、感度が大変よろしい静電式パネルを装備し、大変優秀な防水防塵機能を備えている。
スマホさえあれば、わざわざ数万円をかけて防水防塵対応且つグローブ着用での操作を前提にした”気の利いた”バイク専用のカーナビを増備する必要がないのだ。
(ガチのアドベンチャーバイクに乗っている人はそこらの装備も妥協しないが)

自分もバイク乗りとして、スマホのカーナビアプリには大変お世話になっている身である。
本記事では数多のスマホを乗り継ぎ、数多のスマホをバイクに括り付け、数多のスマホを破壊し、様々な試行錯誤を経て辿り着いた「バイクナビ(カーナビ)に相応しいスマートフォン」とは何かについて記していきたい。

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バイクナビ(カーナビ)として求められるものは何か

まず、スマートフォンをバイクナビ(カーナビ)として使用する上で、何が必要になるのかを考えていきたい。
大前提として必要なものとしては、大体以下のようなものだと判断している。

  • カーナビアプリ
  • GPS・A-GPS
  • 大容量バッテリーの搭載 or 外部給電装置
  • 突然の暴風雨に耐えられる防水・防塵性能
  • 壊れても良い

この、最後の「壊れても良いスマートフォン」を用意することがとても重要。
以下より各項について詳しく触れていこう。

最も相応しいカーナビアプリを考える

有名どころだと、以下3つが挙げられるだろう。
というか、スマホアプリでまともに使えるのがこの3つしかないといっても過言ではない。

  • Google Map(Android Auto)
  • Yahoo!カーナビ
  • ナビタイム ツーリングサポーター(有料)

Google MapとYahoo!カーナビは無料のくせに主要な機能は一通り揃っている。
それでいて独自サービスとしての付加価値も有しており、さすがと言わざるを得ない出来だ。
普段遣いで全く不便を感じることなく使うことができ、この2つだけをインストールしておくだけで全く問題が無いといえる。

ナビタイム ツーリングサポーターはバイクナビに特化したアプリとなっており、二輪専用駐車場を表示させたり、二人乗り禁止エリアを回避させるルートを案内してくれたり、最短経路のナビの他、走って気持ちが良い・景色が良いルートを案内させることが可能だったりと、バイク乗りにとって魅力的なアピールポイントがある。
ただし年間4000円という中々な使用料が発生することに注意が必要だ。

自分はこの3アプリを全て試した。なんだったらこの3つ以外も試した。
結果、基本はGoogle Map(Android Auto)、遠出するときはYahoo!カーナビを使用することに落ち着いた。
それぞれの所感を以下に記していく。

Google Map(Android Auto)

Google Map(Android Auto)は細かい道まで臆せず案内してくる為、小回りの効くバイクとの相性がとても良い。反面、こんな道、車だったら通れないが?というものも平気で案内してくる為、車との相性は最悪といえるだろう。

また、目的地のピン留めが結構適当で、いざ到着してみると目的地から大分離れているなんてことが稀によくある。更には次の交差点を右だ左だのといった音声指示が極めて遅いため、首都高速のような摩天楼で使用すると大惨事になる。
そのため、見知らぬ土地に行くときに使用すると酷い目に合うので遠出には使用してはいけない。

Yahoo!カーナビ

一方、Yahoo!カーナビはクソ真面目。
細かい道は絶対に案内せず、極力幹線道路を使用するように案内してくる。
そのため遠回りになるルートを通らされる羽目となり、時間を無駄にすることが多々ある。

だがしかし、安定感は抜群の為、長距離や見知らぬ土地での使用での心強さは他の追随を許さない。
マップ上に表示するガソリンスタンドやコンビニなどのカスタマイズも豊富であり、もしものときにもとっても役立ってくれる。

ナビタイム ツーリングサポーター

そして、ナビタイム ツーリングサポーターは、上記2つのアプリの良くないところを併せ持っている。
頭が良くない上に、到着地点も結構適当という具合だ。

バイク乗りに嬉しい機能が沢山あるのは大変ありがたいが、メインもメインであるナビ機能が微妙となれば、使う気は起きない。
ましてや有料ということも拍車を掛け、無料で使えるアプリのほうが優秀ときたら、いよいよな話だ。

2人乗りでの使用時には役に立つかもしれないが、首都圏を離れてしまえばもはやお役御免となる。

結論

ということで、ナビアプリの結論は以下の通り。

  1. 街乗り・普段遣いは柔軟性が高いがちょっとヌケてるGoogle Map(Android Auto)
  2. 見知らぬ土地・ロングツーリングにはクソ真面目なYahoo!カーナビ

GPS・A-GPSの測位方法について考える

GPSとは「Global Positioning System」のこと。
そして、A-GPSとは「Assisted Global Positioning System」のことだ。
読んで字の如く、GPSは自分の所在地を定則する機能のことであり、A-GPSはそれらを補助する機能にあたる。

GPSは最低3個以上のGPS衛星からの信号を捕捉して自分の位置を割り出すのだが、衛星通信を用いる為、測位に非常に時間がかかる。しかも衛星通信はめっちゃバッテリーを食う。
そこで、携帯電話に搭載されたSIMカードを介し、各地に建てられた電波基地局との通信時に、ある程度の位置情報を測位してGPSの測位情報を補助する仕組みが作られた。
それがA-GPSとなる。

A-GPSはSIMカードによる音声回線通信が行われないと基地局から位置情報が割り出されない。
つまり、音声通話非対応SIM運用、或いはWi-Fiのみで通信を行っている端末ではA-GPSが動作しない。
その為、カーナビ使用端末には通話可能なSIMカード(SMS対応データ通信SIM)の搭載が必須となる。
そのための格安SIMを別途契約する必要があるのだ。

そして残念なことに、それだけではスムーズな位置収得は出来ない。
というのも、格安SIM(MVNO)は通信キャリアが持っているA-GPSサーバを使用することが出来ないという制約があるからだ。まぁ、それ故の格安SIMなのだが。

スマホナビのために糞高いキャリア契約を別途結ばなくてはならないというのも面白くない話。
であればどうするか。A-GPS データの強制ダウンロードを行えば良い。

GPS Status PROというアプリがある。
これを使用することでスマホのコンパスの更正やA-GPS データのキャッシュ削除やダウンロードができる。
A-GPS データを外部から取得することで内部的に隠しコマンドを発行することができ、A-GPSサーバとの通信が行えるようになる。

以上のことを踏まえた結論としては以下の通り。
これで優秀なGPS取得スマホの完成だ。

  1. 音声通話SIM or SMS対応データ通信SIMを別途契約する。(格安SIM可)
  2. GPS Status PROでA-GPS データを強制的に取得する。

大容量バッテリーの搭載 or 外部給電装置について考える

上記GPSの項目でも述べたとおり、GPSによる測位はめちゃくちゃバッテリーを消費する。
そのためスマートフォンだけのバッテリーだけでは3、4時間程度で限界を迎えてしまうため、大容量外部バッテリーの準備、または車体自体から給電を行う必要がある。

推奨は間違いなく車体自体から給電だ。
大容量外部バッテリーを用意したとしても、ロングツーリング時にはやはり心許無いというのが理由になる。

最近の車体にはUSBソケット、或いはシガーソケットが標準で装備されているため、あえて施工する必要は減っているとは思うが、そういったものがない場合は自分で取り付ける必要が発生してしまう。
しかし、その一度の手間で「ナビの電池切れ」という最悪の状況に出くわすことがなくなるのだから、我慢して装着することを推奨したい。

自分は上記の通りVstrom650を愛車としているため、別途施工する必要はなかった。
標準装備されたシガーソケットにAnker PowerDrive を装備して使用している。

バイクにスマホを取り付けた場合は、乗り降りの際にスマホを取りけたり外したりする手間が発生する。
バイクからの給電を行っている場合はUSBケーブルの着脱もそのたびに発生するため、非常に面倒だ。

そんなときに役立つのが以下のような、アダプタが磁石で取り外しできるタイプのケーブルだ。
これなら頻繁な抜き差しで端子を痛めつけることもなく、面倒もなくなり非常にカーナビスマホと相性が良い。

ということで結論は以下の通り。

  1. 面倒でもバイクからの給電を行う施工を行う。
  2. マグネット式充電ケーブルを使用する。

防水防塵性能について考える

バイクのような雨風にさらされ続ける状況下にスマホをくくりつけることはとてもリスキーだ。
実際の話、突然の豪雨にやられてGalaxy S6を壊したことがある。

その対策としては、優秀な防水防塵性能を備えたスマホを用意することを推奨したい。

一応防水防塵性能を備えたスマホホルダー自体は存在するが、サイズが決められている上に密閉する仕様であるため、非常に熱くなりやすい。
そのため、夏場の使用ではあっという間に熱暴走防止機構が働きスマホ自身が操作不可能になってしまう。
取り外しも面倒くさく、あまりお勧めはできない。

ということで、優秀な防水防塵性能を備えたスマホを購入することを推奨するが、
本降板の冒頭画像のような、防水防塵性能のみを特化した色物端末は推奨できない。

というのも、これらの色物スマホは大体HelioSoC等の安価なCPUを搭載しているために非常にレスポンスが悪い。
特に、夏場などの使用時には本体の温度が上がった際に露骨に処理速度が低下する。
旅先での目的地までの道のりを示してくれないのは当然として、操作そのものを受け付けないナビを操作することのストレスと言ったら、筆舌にし難いものだ。
ナビ用と割り切って適当なメーカーの安いスマホを装備すると、必ずそのツケがやってくる。

ということで、自分がナビとして採用するスマホの基準は以下。

  1. IP54程度以上の防水防塵性能推奨
  2. Snapdragon推奨(Antutuベンチマーク10万点以上推奨)
  3. 名のあるメーカー・実績のあるメーカー推奨

壊れても良い端末とは何か

バイクナビに採用するスマホはめっちゃ壊れやすい。
上記Galaxy S8は自分が破壊したスマホの中で最も苛烈に壊れた端末、そのお姿ではあるが、まぁこうなりたくなかったらメインスマホをバイクナビに採用することは推奨しない。

よく面倒臭がってメインで使用しているiPhoneをナビ代わりに使用している人がいるが、最も愚かな行為だと断言する。今すぐやめてほしい。

スマホホルダーからの頻繁な脱着時による滑落の危険性、雨風による端末そのものへのダメージ、スマホホルダーを介した直接的なバイクの振動・衝撃、炎天下の長時間の使用、などなど。
軽く考えただけでもかなりの破壊要素があるといえる。うーんとても過酷。

そんなこともあるので、高価なスマホを採用するのはとてもよろしくない。
「画面大きいし処理速度も高いSamsung Galaxy Z Fold 2をバイクナビに採用したろ!」
(防水防塵性能なし、お値段21万円以上)
なんて阿呆はいないと思うが、これは愚の骨頂といえよう。

ではどんな端末を選ぶのが良いか。

「防水防塵性能について考える」でも結論づけた通り、ある程度のスペックは必要。
そして、最近流行り(主流)のAMOLED(有機EL)や湾曲ディスプレイ採用端末はおすすめしない。
ナビアプリは長時間同じUIを表示し続ける必要があるため、AMOLEDの場合は画面が焼付いてしまうからだ。
そして湾曲ディスプレイは画面がフレームよりもせり出しているため、落下時に画面が破壊される可能性が非常に高い。
事実、Galaxy S8はAndroid AutoのUIが焼付き、落下時に一発で画面が死んだ。

更に、バイクの振動はカメラにも悪影響を与えてしまう。
スマホのカメラ機構には複数のレンズが精密に重なり合っている。
バイクによる長時間の振動を受け続けるとレンズ可動部にダメージが蓄積され、何かしらの不具合が起こりやすくなる。
事実、Galaxy S8はピント調整が死んでしまい、何を撮影してもぼやけるようになった。
以下の記事でも似たような事象が報告されており、こちらでは手ブレ補正が死んだ模様。

スマホの「手ぶれ補正機能」がバイク原因で故障?ライダーへ注意喚起 - ライブドアニュース
スマホで綺麗な画像を撮影するのに欠かせない「手ぶれ補正機能」。【写真】「これって、まるでビートルズ!?」…山あいの集落の“奇跡の一枚”が話題に手動でシャッターを押すと必ず生じてしまう細かな手ぶれを軽減
iPhoneのカメラはバイクの振動などで壊れる可能性があることをAppleが警告
Appleの製品サポートに、新たに「高出力のオートバイエンジンによって生まれる振動への暴露は、iPhoneカメラに影響を与える恐れがあります」というページが加わりました。

最近の複眼カメラではそのリスクが大変大きくなる。
4眼搭載なんて珍しくない昨今、カメラ破壊リスクは4倍になっているといえる。

以上のことから本稿の結論は以下の通り。

  1. 高性能・高価格ではないスマホ
  2. メイン機ではないスマホ
  3. 優秀なカメラを搭載していないスマホ
  4. AMOLED(有機EL)や湾曲ディスプレイを採用していないスマホ
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2021年7月現在、バイクナビ(カーナビ)に相応しい端末とは

以上のことから求められる、バイクナビ(カーナビ)に相応しいスマホの条件は以下の通り。

  1. ミドルスペック以上(Snapdragon推奨)
  2. 音声通話SIM or SMS対応データ通信SIMを投入
  3. IP54程度以上の防水防塵性能
  4. LCD液晶・TFT液晶を採用
  5. 複眼カメラではない・カメラを使用しない
  6. 壊れてもいい

最近のスマホはミドルスペックで安価でも複眼カメラを搭載しているため、カメラ破壊リスクが高い状況からは逃れることはできない。
そのため、そこは割り切ってカメラは壊れてしまう腹積もりで使用することにしよう。
またAMOLEDの画面焼付きは、端末としてかなり致命的なので絶対に避けよう。

手が出しやすいところで言えばOPPO A5 2020辺りだろうか。
18,500円と非常に安価でSnapdragon 665を採用し、液晶画面を採用している。
防水防塵に対応しておらず4眼カメラを搭載しているので、破壊リスクが抜群に高いが、安価なのでまぁ割り切れるものではある。

とはいえ、やっぱりバイクナビには防水防塵は必須。
であれば人気機種のRedmi Note 9S・Redmi 9Tなんかが良いかもしれない。
画面が大きく、ある程度の撥水加工もある。
Snapdragonを採用しておりスペックも申し分なく、液晶を搭載している。
複眼カメラを搭載しているが、まぁおまけみたいなもんなので別に壊れてもいい
値段もキャンペーン時期に買えば1万円程度で買えたりする。

レビュー記事は以下を参照

【Redmi Note 9S・Mi Note 10 Lite レビュー】今をトキメク2機種を比較レビュー。なんだか意外な結果になってしまったぞ。
以下でもちょっと触れたが、今をトキメク格安良質端末である、 Redmi Note 9SとMi Note 10 Liteの両方を入手した。 最近のスマホはどれも必要十分以上の性能を持っているので、レビューしようにも ...

だがしかし、Xiaomi製品をナビに使用するのはあまりおすすめできないかもしれない。
理由は以下を参照。

Redmi Note 9S はサブ機としての運用も難しいかもしれない
以前の記事にも記載した通り、我が家には現在3機のXiaomi端末がある。 その中には最近人気(?)のRedmi Note 9Sが含まれている。 基本情報・性能比較といったレビュー記事は以下を参照。 本機は自分のメイ...

同じような理由で、Mi 11 Lite 5Gもお薦めはできないかな。
AMOLED搭載なので、画面焼付きも懸念される。

では正解はなにか。上記6つの条件を満たす端末とは。

それはAQUOS sense4である。

Snapdragon 720Gを搭載し、音声SIMを投入することが可能で、IP65に対応し、液晶を採用し、カメラは3眼だが別にメインを張れるものでもないし、更には3万円程度で購入可能だ。
やはり、日本の使用条件に合致するのは、日本企業だな!(語弊あり)

だがしかし、圧倒的なデザインの悪さが気になるところ。
なんだこの3年ぐらい前から何も進歩してない野暮ったいデザインは。
AQUOS sense5Gも同じ理由ですっごくダサい。
自分だったら絶対買わない。

そんなあなたには少し奮発してもらって、OPPO Reno5 Aをおすすめしたい。

Snapdragon 765Gを搭載し、なんとIP68に対応。
液晶・指紋認証・顔認証・高速充電・おサイフケータイ、そんでもって90Hzリフレッシュレートといたれりつくせり。デザインだって昨今の流行りを踏襲したもので悪くない。
耐久面(性能面)・デザイン面で最もベストなナビスマホと言えるだろう。
レビュー記事は以下参照。

【OPPO Reno5 A レビュー】バイクナビとしてどうなのかという観点で評価。現状最もバイクナビに相応しいと思う。
久しぶりのスマホレビューだ。とはいっても、普通なスマホレビューはするつもりはない。何故なら本ブログよりも詳細に本機をレビューしているサイト・ブログがごまんとあるからだ。本機を購入するにあたり、その仕様を調べるなかで、他のサ...

ここで紹介したスマホはOCNモバイルで激安で購入可能。
A-GPSに必要となる音声通話SIM、SMS対応データ通信SIMとセットで購入すれば場合によっては更に安価で入手が可能となるのでナビにはもってこい。要チェックだ。
自分もOCNモバイルで契約したものを使用している。
言っておくけどステマじゃないからな。
OCNモバイルさん、案件お待ちしています。

中華市場を探せば、これら条件に当てはまる端末は星の数ほど見つかるが、わざわざ海外から取り寄せるものでもないだろう。
手頃なところで言えば、OPPO Reno5 A・AQUOS sense4あたりが最も日本国内でバイクナビ(カーナビ)に相応しいスマホではなかろうか。

右が筆者

ストレスの無いナビスマホで快適で楽しいツーリングをしようぜ。


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