【KZ ZAS レビュー】芳醇な低音に痺れる。KZ ZAXから順当な進化を感じる逸品。

やっぱり買っちゃったKZ ZAS。

前回の記事でも触れた通り、KZ ZAXを基本としながら各ドライバの先鋭化とPCBクロスオーバー回路の搭載による高音質化というところに、とても興味が湧いてしまったが故である。

我が愛機、KZ ZAXの後継機であるならば、購入してしまうのは必然だったかもしれない。

結果として、これらの装備は期待通りでありながらも少しユニークな様相を見せつけてくれた。
本記事では、それら特徴的な音造りと本機の魅力について述べていこうと思う。

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KZ ZAS の基本データ

KZ ZAS について

中国は深センに拠点を構えるKZ社(正式名称:Knowledge Zenith)から発売されている、
片側7BA+1DDの合計16ユニットの多ドラハイブリットイヤホンである。

もはやお家芸と化した多ドラハイブリット機構であるが、今回はダイヤフラム動作の振幅を合理的に制御し、出力信号の一時的な特性を正確に出力・調整を行うためのPCBクロスオーバー回路が搭載されているところが注目ポイント。

それ以外はKZ ZAXをベースとしている。
高音や中音を担当するBA(バランスド・アーマチュア)を7基、低音を担当するDD(ダイナミックドライバ)を1基搭載し、幅広い音域と豊かな音色を再現、迫力のあるリスリングが可能だ。

勿論(?)、KZ ZAXから各ドライバもグレードアップしている模様。
にDDが大型化していることによる音質の変化に注目だ。
各グレードアップ箇所と、製品情報に関しては以下を確認してほしい。

 KZ ZASKZ ZAX
高域BA3001930095
中域BA50024s50024
低域DD10mm Dual-magnetic Dynamic Driver.7mm Dual-magnetic Dynamic Driver.
その他Professional electronic frequency crossover.

KZ ZAS の外観

いつもの箱といつもの入り方。
相変わらずの「高級感は感じるが代わり映えしない梱包」だ。

前回の記事の通り、今回はホワイトを購入。
ピッカピカしすぎて筐体のロゴが映らん。

十六単元圏鉄耳机!じゅうろくたんげんけんてつみみつくえじゃないか!
本ブログでの毎度の茶番ではあるが、KZ ZAXと名称が変わってなくて残念だ。

御姿。
今までのKZイヤホンの中ではとても優れたデザインに思える。

かなりのミチミチ感。最高。

KZ ZAXもミチミチしてたけど、今回は回路も含んでいる事から配線が細かく行き渡っており、より一層のギチギチ機構を感じることができる。配線フェチにはたまんねえなこれ。

三枚目が分りやすいかもだが、本機の筐体は三層構成になっていることがわかる。
今までは削り出しのレジン筐体に詰め込んでいたのだが、本機ではトップケース、ミドルケース、ボトムケースと筐体が分けられている事がわかる。

類似した筐体であるKZ ZSXでさえ二層だったのに、なぜ本機ではこんな感じになってるのだろう。
触ってみると接合部に凹凸を感じ、ここから外れそうな感じもする。

そんな KZ ZAX との比較は上記の通り。

中身の構成はほぼ同じなのに、デザイン面に関しては大分方向性が異なっていることがわかる。
見て分かる通り、本機はKZ ZAXに比べてステムが大分細い。
これ実は装着されているイヤーピース含めてKZ DQ6と全く同じ。

この貧弱ステムによる弊害があるのだが、それについては後述する。

付属品もいつもの。
大変質の悪いイヤーピースと細くて巻グセのあるケーブルが付属している。
…と思いきや、今回はちょっと違う。

銀メッキケーブルの8芯かな?結構質の良いケーブルが付属していた。
だがしかしやはり、リケーブルは必要と感じる。
これについても後述する。

体重測定。なんと5.3gを記録。
ZAXが6.3g、ZSXが6.8gと考えると、かなりのスリムアップを果たしている。

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KZ ZAS の良いところ

KZ ZAX譲りの広い音場と圧倒的な音数

KZ ZAX譲りの超高解像の音を鳴らしてくれる。
今まで聴こえなかった音や新たな表現の発見など、聴いていてとても楽しく面白い。

今まで散々聞き飽きた音楽でさえ、このイヤホンならなにか見つけられるかもしれないと
また聞き返したくなる。
こういった違った楽しみ方に気づかせてくれるとても良いイヤホンだ。

強く引き締まった低音に溺れる

本機のグレードアップポイントとして、各BAドライバの最新化とDDの巨大化がある。
正直、スペック値では高音域に変化があり低音域にはあまり違いがないものと感じていたが、どうやらそれはとんだ思い違いのようであった。

本機の魅力はズバリ低音。
強く引き締まった、響く低音である。

なんだったら最新化されたBAの違いは何も感じないと言っていいレベルだったりする。
それぐらい本機の低音は主張が強い。

ジャズやクラシック等のアコースティックな音源に強く作用し、木製の音源をとてもふくよかに鳴らしてくれる。
例えば以下の曲。

リズム隊のウッドベース・ブラシが豊かに響く印象を受ける。
前機種KZ ZAXではアタック感が強く出るため、少し耳に痛く感じるポイントであるが、本機ではそんなことはない。
高音域の丸さも相まって全体的にウォームにまとまっている。

このように本機では少し 、KZ ZAXよりも暖かくマイルドな調整となっている。
これがPCBクロスオーバー回路の所業なのかは知らないが、本機は棘のない音質傾向が特徴だ。
心地よく気疲れしなく、聞きやすい。

KZ ZAXよりもバランスが良い

KZ ZAXで暴れた、以下の曲を聴いても本機では暴れない。

イントロ3秒後あたりからマラカスが左チャンネルから流れ始めるのだけど、KZ ZAXで聞くと、マラカス単体が明瞭になりすぎて耳障りに感じてしまう。
左耳にマラカスを永遠鳴らしながら近づいてくるオッサンが現れるのだ。

対して KZ ZASではこの曲を聞いても、そんな自己主張は無い。
つまり破綻していない。

でもなんかちょっと側で笑ってる。よく聴くとおじさんの笑い皺が解る。
そんな具合。ちょっと怖いけど、いい具合。これ以上こっち来んなって感じ。
ちょうどいい塩梅。ナイスな距離感だ。
ソーシャルディスタンス、大事だよな。

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KZ ZAS の残念なところ

ステムが細すぎる

上記でも述べたように、本機ではこれまでのシリーズに比べてステムが細い。
こうなるとイヤーピースが合わないことがある。

現に、自分はfinalのイヤーピースを使用しているのだけども、これが結構外れることがある。
耳の中に残ったり、ポロッと落ちたりすることがまぁある。

これに関しては、新しい finalのイヤーピースに買い換えることで対応ができた。
つまり、既存環境で使用していたイヤーピースを使い回すような形だと、ゴムが緩んでいて本機では使用できない状態になっている可能性が考えられるのだ。

他のイヤホンではこんな事にはならないので、本機が如何に特徴的なステムをしているのかが解る事例である。
現在のイヤピ資材を使いまわそうと思っているのであれば、注意が必要だ。

やっぱり、ケーブルとイヤーピースは買い替え必須

今までのKZ製品同様、やっぱり付属品は駄目。

ケーブルはレベルアップしたといえども、やはり中域スカスカで力不足。
ゴミのようなイヤーピースと合わせて買い替え必須なので、好みあったものに買い換えよう。
自分は今までYYX4849のケーブルとfinalのイヤーピースを使っていたけども、本機では低音が強すぎる傾向があるので、YYX4849ではあまり合わない印象。

HiF4837にリケーブルすることでバランスの良い出力になっているように感じる。
ひとまずはこれで運用しているけど、いい感じ。

イヤピは相変わらずfinalを使用。装着感がやっぱり一番良いのよね。

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KZ ZAS の総評

KZ ZAXから順当な進化を感じる逸品。
すごくバランスが良くなり、より一層面白くなったと感じる。

今までの中華イヤホンファンは勿論、これから中華イヤホンを始めると言った人にもおすすめできる、とても優れたイヤホンだと感じた。

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