ボケ防止にスマートデバイス(時計・体組成計)は役に立ち得るか

つい最近、祖父が他界した。
優しく逞しく芯のある強い男性であった。

しかしてその最後は、子の顔を忘れ孫の名を忘れ自分を忘れ、何もかもが”あやふや”のまま消えるというものであった。
その過程においては詳細に記したくはないが、前述したようなポジの印象は微塵と消えてしまうようなものであり、愛情であるとか親しみであるとかの感情は霞の如く薄れていくものであった。

「晩節を汚す」という言葉がある。
この場合は使い方が違うかもしれないが、身内としてはこの表現が腑に落ちるものであると思う。
人間たるもの往生際が大事なのだ、動く最後の姿こそが、残された人に対する最後の印象なのだ。
こんな末路を身内に迎えさせたくない。
というか自分が見たくない。

ということで、もうすぐ定年退職を迎える自分の両親にスマートデバイスを与えてみた。
これによる自己健康管理を促すとともに、効果的な運動を実施してもらうことを期待するものである。
いうなれば、「これやるからボケんじゃねえぞ!」ということだ。
本記事ではそのようなアプローチで各種スマートデバイスについて触れていこうと思う。

スポンサーリンク

認知症対策の基本

認知症の直接の原因となる脳の萎縮や血管の詰まりから伴う症状とのこと。
日常生活に気をつければある程度予防ができるという。
以下のページには「認知症予防の10か条」としてこのような記載がある。

【認知症予防の10か条】発生や進行を抑えるためにできること |ベネッセスタイルケア
【ベネッセの介護知識】「認知症予防法は?」「進行を抑えられないの?」とお悩みに方に、「川崎 幸クリニック」院長の杉山 孝博氏監修の『認知症にならないための10か条』をご紹介。今できることから取り組んで、しっかりと認知症に向き合っていきしょう...
  • 第1条 生活習慣病を予防・治療する
  • 第2条 バランスのよい食生活で健康を保つ
  • 第3条 よく歩き、運動する
  • 第4条 過度の飲酒・喫煙に注意する
  • 第5条 活動・思考を単調にしないように努める
  • 第6条 生きがいをもつ
  • 第7条 人間関係を普段から円滑にしておく
  • 第8条 健康管理は自分で
  • 第9条 病気や障害の予防や治療に努める
  • 第10条 寝たきりにならないよう心掛ける

簡潔に言うならば「生物であることを諦めるな」という事と認識している。
考えて食って動け。コレに尽きる。

正直言ってこんなの本人が努力しない限りどうしようもないものではあるのだが、本記事で紹介、もとい買い与えるデバイスによって、3条・5条・6条・(7条)・8条・9条の促進が期待できるものと考えている。(人による)

スポンサーリンク

今回買い与えた品々

Xiaomi Smart Band 7

Xiaomiのスマートウオッチ、その7世代目。
先日8世代目が発表されたばっかしだが、できることはほぼ変わらんしどうせ老人に買い与えるのであれば型落ち品で良い。

というか現行のスマートウオッチは見た目が異なるだけで、できることがほぼ同じ。
なので語ることがマジで何もない。(Apple Watchを除く)
本当はもっと詳細に書く予定ではあったのだけど、筆者的にレビューする面白さも無いし、恐らく読んでいる人としてもつまらない内容になるだろう。
故にこんな記事としてまとめている現状。

できることは以下製品紹介でレビューしている事とほぼ同じ。
世代を重ねることで画面が大きくなりセンサーが強化されたが、目当たらしさが無いのは前述のとおりだ。

ピックアップすると以下の通り。

  • 歩数、心拍数の計測
  • アクティビティ・活動量の計測
  • 活動ルートの計測
  • ストレス、睡眠の計測
  • 血中酸素濃度計測
  • 時間、日付、曜日の確認
  • ウオッチフェイスの衣替え
  • アラーム、タイマー
  • LINEやメール、着信などの通知
  • ストップウォッチ
  • スマホを探す
  • スマホの音楽を操作
  • スマホカメラの遠隔シャッター
  • スマホの通知

などなど、他細かい機能もいくつかある。

Xiaomi Mi スマート体組成計2

Xiaomiのスマート体組成計。
これまた2年前のモノであり、現在のトレンドから外れたものである。

これに乗るだけで体重や体脂肪はもちろんの事、BMIやら基礎代謝やらなどを一瞬にして計測が可能。
本機に乗っかれば自動で電源がONになり測定が開始される。
Bluetoothで紐づけておけば近づくだけでスマホに自動同期されるので、わざわざスマホを起動して本体を起動して~といった煩わしい作業が不要なのもとってもスマート。

計測内容をピックアップすると以下の通り。

  • 体重
  • BMI
  • 体脂肪率
  • 内臓脂肪レベル
  • 筋肉量
  • 水分量
  • タンパク質量
  • 基礎代謝
  • 骨量
  • バランス能力

などなど、他細かい機能もいくつかある。

各種スマートデバイスから得られる情報

本機は「Zepp Life」というアプリで一括管理が可能。
上記のようにスマートウオッチとスマート体組成計から得られるデータをまとめて表示してくれる。

計測データはかなり細かく採取され、且つグラフィカルに表示されるため満足感がある。
視認性もよく、対老人向けとしても問題はないだろう。

各項目をタップすれば詳細データを閲覧することができる。
何をした時にどの程度の心拍数が上がったのかを簡潔に視認することが可能。
何時間運動し、どの程度の距離を移動し、結果としてどの程度の脂肪燃焼ができたのか、などをわかりやすく説明してくれる。

上記が筆者の中身である。包み隠さずネットに晒していく。
見て分かる通りすこぶる健康体のため、筆者的には本セットの必要性は感じていない。

しかし老体相手であれば、これら情報はかなり重要になってくるだろう。
各項目ではどのような行動を行えば改善できるかが事細かに説明されており、計測時にNGになった項目があればそれらがピックアップ(赤文字表示)され警告表示となるため、今の自分に何が足りないのか・どうすればよいのかが一目でわかる様になっている。
アドバイスもわかりやすく表示されるため即日の行動に反映することができるだろう。

スポンサーリンク

ボケ対策になりえるか

これら各デバイスの特徴を踏まえた上で、ボケ対策になりえるかを考えてみよう。
上述した「認知症対策の基本」の10条にそれぞれ触れてみる。
前提として「このデバイスをセットで毎日使ってくれること」が必要となるが…。

第1条 生活習慣病を予防・治療する/第2条 バランスのよい食生活で健康を保つ

各健康データを視認性高く表示する為、問題の早期発見に役立つものと考える。
特に内臓脂肪と骨量のデータが確認できるのは心強く、食生活の改善が見込めるものである。

第3条 よく歩き、運動する

本デバイスの得意分野だ。
自分がどれだけ移動したのかをマップで確認できるうえ、どれだけのカロリー消費が行われたのかを数値で確認することができる。
心拍数の細かな変動もグラフ表示されるため、効率的な有酸素運動を行うことも可能だ。
ただ歩く、走るといった状況よりかは、こういったフィットネス要素によるエンタメ感を日常に取り入れる事ができるようになるためモチベーションのアップが期待できる。

第4条 過度の飲酒・喫煙に注意する

無理。自分で頑張れ。

第5条 活動・思考を単調にしないように努める/第6条 生きがいをもつ

上述したように、本デバイスによる運動へのモチベーションアップに期待したいところ。
昨日はこれぐらい行動したのだから、今日はこれぐらいまでチャレンジしてみよう、といった変化のない日常に少しでも考える余地が生まれれば良い。

また、子供からこんなものを与えられて健康を管理されているという脅迫概念も期待したい。
使わなきゃ…データ出さなきゃ…という焦りが日常にスパイスをもたらすのだ。

第7条 人間関係を普段から円滑にしておく

知らん。自分で頑張れ。

第8条 健康管理は自分で/第9条 病気や障害の予防や治療に努める/第10条 寝たきりにならないよう心掛ける

これも今まで書いたことの繰り返しとなる。
自分の身体の基本値として何が良くないのかががわかりやすいので対策が取りやすく、また運動へのモチベーションアップが期待できるという点では、本機の有用性があると判断している。

スポンサーリンク

無いよりはあったほうが

ということで、期待値として「ボケ対策に有効」と判断した。
Xiaomi Smart Band 7を2台と、Xiaomi Mi スマート体組成計2を1台買い与え、運用するよう言いつけた。

こんなものでの健康管理なんてたかが知れている、というのが正直なところではある。
いくらデータを取ったところで本人に響かなければ何も改善はしないし、途中で使用することに飽きてしまえば元の木阿弥でしかない。
ただ、上述したように実の子供からこんな健康管理デバイスを渡されているという遠回しな脅迫が、当人たちにメッセージとして伝わればそれで良いとも思っている。

繰り返しとなるが、人間は往生際が大事。
死ぬ時までせめて人間でいるべきだ。
人間であることを忘れて消えることほど虚しいことはない。
そうならないよう、本デバイスが少しでも役に立てば良いのだが。

タイトルとURLをコピーしました