【TANCHJIM ZERO レビュー】バランスの良いクセのない出力が魅力。しかし我々はお呼びではない。

3.5
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またTANCHJIM製品のレビューだ。
最近御神体を手に入れてタカが外れてしまった筆者によるTANCHJIM ZEROのレビュー記事となる。
これまでのあらすじは以下を参照。

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TANCHJIM ZERO の基本データ

TANCHJIM について

TANCHJIMは中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年~17年頃に設立されたオーディオブランドだ。
兎にも角にもブランドキャラの浅野てんきちゃんが可愛い。
詳細はTANCHJIM OLAの記事を参照して欲しい。

TANCHJIM ZERO について

TANCHJIM ZEROは、2022年9月に発売された1DDイヤホンである。
ケーブル一体型で1DD、価格も3000円台ととても扱いやすい。

TANCHJIMが独自に開発した第 4 世代 DMT ダイナミックドライバーを採用。
筐体部分は人間工学に基づいたカナル型透明強化プラスチックで形成されており、且つ特殊なナノコーティングが施されており防水性と防塵性、更には耐久性を向上させているという。

とまぁ、筐体デザインから中身の説明に至るまで、リケーブルできなくなったTANCHJIM OLAそのものといえるだろう。
より安価により扱いやすく、そしてより普及させやすく、という目論見が見えてとれる。

TANCHJIM ZERO の外観

まずはいつもの通り外箱から。
これがZEROちゃん…いや、浅野てんきちゃん。
いいえ、浅野てんき大権現とお呼びすればよいでしょうか。
いつもお世話になっております。

裏面はいつものTANCHJIMな感じ。
本当にデザインが統一されてて面白い。

内箱というものはない。
いつものTANCHJIMのアイテムボックスらしいものが出てくる。

この中に色々入っている。
6種類のサイズのイヤピとポーチ、それから紙がたくさん。
謎の合格証とか説明書とか保証書とかなんやら。

巾着はOLAと同じものが入っていた。

ケーブルはとても細く若干の不安を感じるもの。
今回はマイクなしモデルなので上記の通りスッキリとしたデザインに収まっている。

筐体はこのように。
プラスチック部分はドライバがまるっと確認できるレベルで透け透け。
ガウスもなくクリア過ぎてとても安っぽく見える。
ステム部分も中空のプラスチックがにょきっと生えた先にフィルタが乗っかっている、という状態が如実に確認できる。
ここらへんの印象もまんまOLA。

フェイスプレートはアルミっぽい。
手触りは良いが、筐体が小さいうえ他は上記の通りなので高級感はあまりない。

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TANCHJIM ZERO の良いところ

聴きやすくクセの無い出力

クセのないフラットな音質傾向が確認できる。
ドラムのアタック感や高域再現性も過不足無く出力されており大変にバランスが良い。

中音域の再現性が強いため男女を問わずボーカルは聴きやすく、サ行の刺さりや聞き取り難さというものは微塵も感じることはない。
OLAよりも非常にマイルドな味付けになっているので、人を選ばない出力傾向になっているといえる。
なるほど、ここまで普及モデルとしてチューニングできるものか、と驚くレベルだ。

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TANCHJIM ZERO の微妙なところ

オーディオファンには不向き

なんというか、あまりにも感動が無い。
心が動く要素がないというか、ユニークな要素が皆無なのだ。
正直、本機が手元に来るまでは「リケーブルできなくなったTANCHJIM OLAだろ」程度に認識していたものであるが、実際手元に到着して聴いてみるとその通りではなく。

ダイナミックさは勿論のこと、解像度についてもアピールできるようなものはなく、TANCHJIM OLAで感じることのできた”女性ボーカルの伸び”というのも特筆できるレベルではない。
MOONDROP 竹-CHUのような”ハイレゾ音源を聴き分けれる能力”も持ち合わせてはおらず、何かが誇張されているとか不足しているとかもない。
どこまで行っても価格相応でド平坦。一番レビューが難しいヤツ。

このマイペースさはある意味「魅力」なのかもしれないが、色々なイヤホンを所持しているようなオーディオファンには刺さることはないだろう。
あくまで本製品は普及モデルであり、我々キモオタはお呼びではない製品ということだ。

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TANCHJIM ZERO の総評

バランスの良いクセのない出力が魅力。
一方で、オーディオファンに向けた製品では無い。

とにかくクセの無いバランスに優れた出力傾向があり、音源を問わず本機の音で楽しむことができる優秀なイヤホン。
しかしながら多少イヤホンを揃えている人であれば、本機の魅力はかなり薄味に感じることだろう。
初めてのイヤホン、という観点以外であれば本機を選ぶ必要性はあまり無いのでは、と思う。
同価格帯で優れた音質を有するMOONDROP 竹-CHU、或いはリケーブルができるTANCHJIM OLAのほうが、長くに渡って愛用することができるだろうと筆者は感じた。

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