【TANGZU Wuzetian レビュー】クセが無くバランスの良い出力が魅力的なイヤホン。

4.5
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HBB Wu Heydayが大変に素晴らしく、コラボ元であるTANGZU Wuzetianのポテンシャルそのものを確認したくなった次第。
HBB兄貴パワーなのか、そもそも本機自体が優れているのか。気になる。

ということでTANGZU Wuzetian(武則天)のレビューをしていく。
完全にレビューする順番を間違えているが、ゆるしてヒヤシンス。

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TANGZU Wuzetian の基本データ

TANGZU について

TANGZUは、おそらく2021年頃に設立された中国の何処かにあるオーディオブランドだ。
数千円程度のものから3万円クラスの製品が展開されているが、総数としてはおよそ10本の指で数えられる程度しか排出できていない。
まだまだこれから伸びていく余地のある注目のブランドだ。

SNSやHPも存在しているが、更新頻度は低い模様。
せっかくあるのにもったいないなぁという印象。

TANGZU
TANGZU

TANGZU Wuzetian について

TANGZU Wuzetianは、14.5mmという大型平面駆動ドライバを採用したイヤホンだ。

独自に開発された平面駆動ドライバは、通常のDDよりも極めて低い歪みでの再生を可能としており、また迫力のある低域の再現とクリーンな広域表現を可能とするという。
このあたりは他製品の平面駆動ドライバ搭載機も同じような説明となるので、正直言って特筆するものではないのかもしれない。
少し異なるのは、「強力な磁石を採用」していることをアピールしているところ。
何がどう比べて強力なのかは不明であるが、本機の独自の磁気回路構造と組み合わせることで、より優れた感度で自然なリスニング体験を提供することが可能となったらしい。

第4世代のDLP 3Dプリンティング技術を使用し、人間工学に基づいたシェルを採用。
ほとんどのユーザーにとって快適でしっかりとしたフィット感を実現したという。
実際、HBB Wu Heydayのフィット感は大変に素晴らしかったので、同一デザインの本体にも期待はできる。(というか約束されたものか。)

TANGZU Wuzetian の外観

いつもの通り外箱から。
相変わらずイッツソービッグ。
まぁこっちがオリジナルなんだけど。

これが武則天ちゃんですか。
武則天姉貴とはだいぶ印象が違う。
HBB兄貴に調教される前はこんな美女だったのか…。
これなら以下に入れても問題ないか。

裏面にはやっぱり格言っぽいものが書いてある。
君子…善名不更?読めないめう…。
良い名前は変わらない、的な言葉だと思うのだけど、ちょっとわからない。
武則天ちゃんのお言葉らしい。

外箱をとると重厚な内箱が出てくる。

開けると変わらずペラ紙が出てくる。
相変わらず気合が入りまくっているので、中々に満足度の高いアンボックス体験を得ることができる。

HBB Wu Heydayと全く同じ配置。
故にファーストインプレッションもHBB Wu Heydayと同様。
こっちのほうがカラフル。

付属イヤピは変わらず豊富。
「バランス重視」「低音重視」「フォームイヤーピース」が確認できる。

付属ケースも変わらず優秀。
左右が干渉し傷つかないように別室が設けてあるのは配慮が合って大変良い。

ケーブルは中々頑丈な材質の3.5mmプラグ式。
プラグはHBB Wu Heydayと異なり換装式ではない。

フェイスプレートは航空アルミ。
シェル自体は樹脂っぽいが、かなりプラスチッキーな感触。

やっぱりフェイスプレート以外は安っぽさを感じる筐体だ。
フェイスプレートの接合部分にバリがあったりズレがあったりと加工のあらさが目立つ。

重さは4.2gを計測。見た目に反して軽い!!

HBB Wu Heyday と比較

形状とデザインは同じ。
TANGZU Wuzetianのフィルターはむき出し。
HBB Wu Heyday金属筐体の美しさが際立つ。

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TANGZU Wuzetian の良いところ

自然でなめらかな音質

聴いてまず思ったのは、TANGZU × HBB Wu Heydayの優秀さはHBB兄貴パワーだけのものではなかったということ。
TANGZU Wuzetian自体のポテンシャルがとても高い事にすぐに気付かされる。

傾向はドンシャリではあるが下品さはなく、抜群にバランス感が良く聴きやすい。
解像度は極めて高く空間再現力も豊か。
各音域は誇張が少ないながらもメリハリがあり、自然で滑らかな印象がある。

TANGZU × HBB Wu Heydayと変わらず、平面駆動ドライバとは思えない調教が施されておりクセが無い。
低音域から高音域まで満遍なく奏でてくれながらも、男女問わずボーカルを沈むこと無く引立ててくれる音作りはさすがというところ。

TANGZU × HBB Wu Heyday との比較

では何がTANGZU × HBB Wu Heydayと違うのか。

比較してみると、TANGZU Wuzetianは音空間の一部がスコーン!と抜けている印象が強い。
どういうことかというと「天井が高すぎる防音スタジオで録音でもしたのか?」というような、響きはしないけども謎の空洞が楽曲の向こうに存在するようなイメージがある。
どこの音域がヌけている、ということはなく全体が浮ついている。
言ってしまえば音の締まりがよろしく無い。

なお、これはHBB Wu Heydayと比較することで明確になる部分であるため、単体で聴いた際には本機の特徴として片付けられるものであり決して欠点ではない。
逆にHBB Wu Heydayはこの空間を丁寧に本機の特徴として落とし込めているので、やはり一つ上手と評価せざるを得ない。

さらに、TANGZU × HBB Wu Heydayのほうが中高音域がより良く響く印象があり、全体的にきらびやかな印象がある。
本機でも十分に鳴らしてくれるが、TANGZU × HBB Wu Heydayのほうがより丁寧、といったところか。

このように比較してしまうとTANGZU Wuzetianはやはり少し目劣りしてしまうが、上述したように本機自体のポテンシャルは極めて高いので、本機だけでも十二分に音楽を楽しむことができる。
なるほど優秀なイヤホンだ。

スターターキット感が楽しい

TANGZU × HBB Wu Heyday同様、アンボックス体験が大変優れている。
ワクワクする梱包デザインと高級感を感じさせる配置は少年心を擽るものであるし、豊富で堅牢なオプション品の品質の高さには驚きすらも感じる。
まさにスターターキットと例えるにふさわしく、ワクワク感のあるアイテムと言えるだろう。

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TANGZU Wuzetian の微妙なところ

筐体の作りが甘い

上記で何度か指摘しているように、本機の筐体の作り/加工は結構甘い。
場所によってはシェルからフェイスプレートが少し飛び出しており指先に痛いものであるし、なんだか接着剤のようなもの(とはいえ透明なのでわかりにくいが)も確認することができる。
また、軽すぎる筐体故に音が浮ついている印象があり、それに伴い上記のような出力傾向につながってしまっているのではないか、とも思わなくない。
個体差なのかは不明だが、少し品質に疑問を感じるところである。

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TANGZU Wuzetian の総評

明るく自然で優秀な音質。スターターキット感もあり楽しいイヤホン。
ただし筐体に若干の不安あり。

TANGZU × HBB Wu Heyday同様、本機に搭載された平面駆動ドライバは他社と比べても一歩抜きん出た完成度があり、TANGZUとしてのこだわりと技術力の高さを感じるものでもある。
これからのTANGZU製品にとても期待ができる優秀なイヤホンだと感じた。

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