【EarFun Air Pro レビュー】これは…テレワーク専用端末じゃな?ガジェ欲を満たしてくれるユニークなTWS。

3.0
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Amazonで衝動買いした謎のTWS。
なんの前情報も調べず、レビューも読まず、なんか安くなってたという理由だけで購入してみた。
本機は定価7,999円という値段設定なのだが、購入当時はAmazonにて紆余曲折の結果4,000円ポッキリで手に入れることができたのである。
これは大分お得じゃあないか。乗るしか無い、このビッグウェーブに。

そんなその場のノリで購入したものだから、本機のスペックはおろか基本的な機能さえも把握せず、大した期待もしていなかった。
だがしかし、色々弄くり回していくうちに本機はとてもユニークな機種であり、ガジェヲタ向けのTWSであることに気付かされることとなった。

本稿ではそんなEarFun Air Proについてのレビューを記載していこうと思う。

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EarFun Air Pro の基本データ

EarFunについて

まずEarFunとは何か。

中国深圳市にて、2018年10月に設立された比較的若い企業である。
そのせいなのか、海外でのレビューはあまり数がなく、SoundPEATSやTaoTronics等の競合他社に比べると存在感が若干薄めな印象を受ける。

公式ホームページを覗いてみると5製品しか紹介ページが無く、まだまだこれからという感じ。
なお、会社説明については以下のように記載が行われている。

EarFunテクノロジー株式会社は、2018年に、経験豊富な工業デザイナー・音響エンジニア・音楽愛好者で構成されったチームで設立されました。 そして、次世代のワイヤレスオーディオ機器を製造することを目標にしています。EarFunテクノロジーはデザインから製造まで、あらゆる方面から製品開発に専念して、お客様により一層ご満足いただけるショッピング体験と製品をご提供できるよう、精一杯努力いたします!EarFun

”構成されった”という打ち間違いがキラリと光る自己紹介がかわいいじゃないか。
調べてみると30人程度しか構成メンバーがいないにも関わらず、資本金が3億あるとかで中々体力はありそうな新興企業だなぁ、という印象を受けた。

EarFun Air Pro について

まずは基本スペックから確認をしていこう。

EarFun Air Pro
Bluetooth規格5.0
ドライバー1DD(10mm)(複合振動板)
SoC不明
対応コーデックAAC、SBC
操作方法タッチ(加速度センサー)
防水等級IPX5
連続再生時間ノーマルモード:9時間
ANCモード:7時間
充電時間1.5時間
充電端子Type-C
その他最大38dBのANC
装着検出機能(光学センサー)

なるほどDDに10mmを採用しているのか。結構大きいな。
その他のスペックに目新しさはないかな。

スペック表をよく読んで欲しい。
ANC搭載は本機の一番の特徴ではあるけども、注目すべきはそんなところじゃない。
タッチ(加速度センサー)、装着検出機能(光学センサー)って何だ。
ジャイロセンサーも搭載してドローンにでもなったほうが良いんじゃないか。

通常のTWSのタッチ操作というものは指が触れただけで曲のスキップや再生/停止がされてしまうほど感度が高く、誤操作が多く発生するために好みが分かれるものだったりする。
ところが本機では加速度センサーをタッチ部に採用し、指で触れただけでの誤操作を抑止したタッチ式操作というものを実現している。

また光学センサーは着脱検知に採用されており、耳から外すと自動で曲が停止、再び装着すると自動で再生が始めるといったギミックを楽しむ事ができる。

更に、本機はマイクを3つも搭載している。

上記公式画像の通り、内側と外側に設置されたノイキャン用のマイクで外部の音を集音し、通話用のマイクは更に別基で搭載しているという、結構ガチな構成をしている。
8千円程度で買える製品にしては中々に力を入れているといえよう。

EarFun Air Pro の外観

まずは外箱。
可もなく不可もない平凡な箱といった様相。

しかして実はこのように展開するタイプであり、厚みのあるクッションでしっかりと保護されている。
白と黄色で統一された一体感のあるデザインは大変に心地が高い。
もしこの黄色が水色だった場合は、ANKER製品としても通じるデザインだなって。

充電ケースはつや消しプラスチックでこの価格帯相応といったところ。
結構薄っぺらい。

Type-Cの隣のLEDはバッテリーインジゲータになっており、蓋を開閉することで点滅し、バッテリー残量を通知してくれる。

蓋を開けるとこんな感じ。
無骨なデザインが映える収納具合でいい感じなんじゃなかろうか。

本体はこのような感じ。
金属のような鈍色の光沢が目立つが、実際のところは全体はプラスチックで構成されており高級感は全く感じない。
だが、ソリッドなデザインは大変良い出来であり手触りも申し分ない。

ANC用のマイク穴が広く取られていることが大変に解かりやすい。

内側はこんもりと丸みを帯びており少し不格好かな。
10mmと比較的大きめなDDを搭載している以上、このようになるのは致し方ないのかもしれない。

CCA CX10のようにくびれからのボコッとしたいびつなデザインでない分素直で良いかもしれないが。

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通話用マイク穴も広く取られており、音質は大変に明瞭。
これだけ多く広く穴が設けられているのにIPX5防水に対応しているのはすごいね。

付属品も至ってシンプル。
Type-Cケーブルとイヤーピース、高級イヤホンでもないのシリカゲルが入っていた。

説明書は多言語で用意されており、勿論日本語にも対応。
独特な操作方法についての記述が行われているぞ。

体重測定はこのように。
イヤホン本体は6.2gと比較的重い部類ではあるが、まぁ搭載されている機能からすればこんなもんでしょう。

ところで君…ニコるくんに似てるって言われない?

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EarFun Air Pro の良いところ

高級機と遜色無い圧巻のANC

本機のウリであるアクティブノイズキャンセリング(ANC)の機能がとっても素晴らしい。
個人的にはWF-1000XM3に匹敵するレベルと考えており、WF-1000XM3の3分の1の価格で手に入る本機は大変にコスパに優れていると言えるだろう。

試しに本機を装着して通勤・日常生活を送ってみたのだが、電車の音から掃除機の音、換気扇の音やテレビの音などバランス良く打ち消してくれていた。
さすがに女性の喋り声等の高周波は通してしまうが、それはANCの仕組み上仕様がない事。
高級機でできないことは本機でもできない。
翻って言えば、高級機にできるANCシチュは本機でも通用するということだ。

少なくとも自分が持つ以下ANC機器のどれよりも強く作用していると感じる。

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また、通話使用時には片耳でもしっかりとANCが作動するのは大変に好印象。
相手の声がとても聞きやすくなり、テレワーク使用時に大変に役に立つだろうと感じた。

通話品質が良い

下部に設けられた大型の通話マイクは大変に音質が良い。
CVCもさることながら、指向性のある大型のマイクはこちらの声を明瞭に捉え、ノイズを少なく集音してくれる。

また大型のDDは人の声をとても素直に出してくれる為、通話でのシナジーが大変に高い。
通話使用時にしっかりと作動するANCと相まってととてもストレスフリーな通話を行うことができる。

電波強度がとても強い

壁を三枚挟んでも、10メートル以上離れても、電子レンジの隣で使用しても、通勤ラッシュ時に使用しても、全く途切れない。超電波強者。手持ちのTWSの中でぶっちぎりの強度を誇っている。

CCA CX10も大変に強かったが、それと匹敵、いやそれ以上かもしれない。
TWSを装着して家中をフラフラする人、更に上記理由もあわせて通話も良くする人ならこれ以上ない機種と言えるだろう。

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EarFun Air Pro の残念なところ

音楽再生は残念

ひねりの無い1DDは人の声を明瞭に出力してくれる。
だがそれは、高音域や低音域が出力不足気味であることを意味している。
フラットすぎる音質は音楽再生にはとても不向き、とまでは言わないが面白みが無く、奥行きや解像度不足がとても目立つ。

10mmのDDが生きるドスドスと響く低域のbassの再現は得意の印象を受けるが、しかしその程度。
低中域だけが響き、ドンシャリにもならない中途半端な音域で再生されてしまう。
サ行も結構刺さり気味なので女性ボーカルの曲とは相性最悪。

手持ちの同価格帯イヤホンと比べてみると、音楽再生性能に関してはCCA CX10の圧勝。
バッテリー寿命という点では本機の圧勝だが、こと音楽鑑賞は物足りなさが目立つ結果となった。

加速度センサーが使いづらい

本機は上記で説明した通り、タッチ操作ではなく加速度センサーで本機操作を実施する。
この加速度センサーの判定が大変にシビアなのだ。

少しでもタップ感覚が違えば、少しでも速さが足りなければ、作動しない。
名に違わない「加速度センサー」だ、とにかく速さが重要なのだ。
たとえ情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さが足りたとしても、速さが足りなければ反応しないのである。世界を縮める覚悟が必要だ。

利き手の操作であればガッツでどうにかなるかもしれないが、利き手じゃない方で速さと正確さを求められるのはとても面倒。
よって本機での音楽操作はあまり期待できない。ていうかやりたくなくなる。

外音取り込み機能いる?

上述したように、本機は光学センサーを搭載しており、イヤホンの着脱検知に対応している。
そのため、人の声を聞きたいのならばイヤホンを取れば勝手に再生が止まるので外音取り込み機能を使う機会が無い。

しかも外音取り込み機能は左イヤホンを3回も連打しなくてはならず、上記に記載したとおりに加速度センサーが大変にシビアなため、すすんで使用したいと思わない。
だったらイヤホン取ればいいじゃん、ってなるからね。

その分、3回タッチになにか別の機能を割り当ててくれた方が、もしくはカスタマイズ可能であれば申し分なかったのだけれど、そこはしょうがないところ。

補足でいうと、外音取り込み機能自体はとても高品質。
まるでイヤホンを装着していないみたいに聴こえる。
じゃあ装着しなくていいじゃん、ってな。

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EarFun Air Pro の総評

・ANC機能ヨシ
・電波強度ヨシ
・マイク通話ヨシ
・人の声が聞きやすい
・音楽再生はぶっちゃけ向いてない
・加速度センサーは面白いけど使いづらい
という感じ。

この価格帯ではとても頑張っている機種であるといえ、構成も機能もガチといえる本機ではあるが、正直言って音楽再生は微妙。
この値段を出すのであればCCA CX10だとかTruengine 3SEだとかゴロゴロしているので、本機を選ぶメリットは皆無と言えるだろう。

本稿で述べたとおりテレワークでの使用時には大変役立つ機能がてんこ盛りの為、環境によっては必須端末になるかもしれないが、ぶっちゃけそれ以外での使用については自分は想定できなかった。

或いは、本ブログで再三に渡り申し上げている通り自分はANCを全く重要視していない(なんだったら不要)という派閥であるため、本機の旨味をあまり理解できなかったのかもしれない。

何れにせよ、およそTWSには不要と考えられるようなセンサーを複数搭載し、おもしろ機能を備えた本機はおもちゃとして触ってみる価値はあり。
ガジェ欲を満たしてくれる一方で、もしかしたら貴方の相棒になってくれるかもしれない、そんなポテンシャルを感じることができた機種であった。

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