【final ZE3000 レビュー】評判の割には言うほどでもない普通のTWS。

3.5
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「鳴り物入り」という表現が正しいのかはさておいて、一時期話題になったTWSが存在する。
それは「final ZE3000」という製品であり、なんでも「音質特化」したTWSであるという。
ほう、興味深い。

ほぼ同時期に出た、同じようなコンセプトの超高級TWSのFoKus PROは5万超え。
対して本機は1.5万と手頃でありながら、同じような謳い文句を出してくる。

高いものは良いに決まっている。
であれば、本機を試すのは必然だよな。
ということで今回はfinal ZE3000をレビューしていこう。

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final ZE3000 の基本データ

final について

前名「S’NEXT 株式会社」、現名「株式会社final」。
外資本の日本企業、2007年に設立され神奈川は川崎に拠点を構えるオーディオメーカである。

イヤピからケーブルはもちろんのこと、ピンからキリまでのイヤホンを多く展開している。
下は3000円、上は20万円近くと、中華イヤホンメーカ並の力の入れようだ。
ここまで体力のある展開をできている日本メーカーってSONYとか含めても数社しかいない認識。

なお、つけ麺が美味しい六厘舎にロゴが大変酷似しているが関係は特に無い。

本ブログでは、とにかく同社イヤピを推しまくっている。
有線も無線もとにかくfinalのイヤピを装着するようにオススメしまくっている。
もちろん色々試したうえで、価格と品質のコスパが良いと判断し紹介している。

イヤピは個人の趣味嗜好がとても出やすいアイテム。
なので万人に合致するものではないのだが、筆者はバッチリ同社製品がハマっているという話。

ちなみに、株式会社finalは「ag」というブランドも展開している。
こちらは使いやすさを重視したブランドであり、万人受けを強く意識している模様。
筆者としては「aviot並にしょっぺえブランド」、という使用感であり、あまり語る気にはなれない。

final ZE3000 について

ZE3000
ZE3000 | final初のワイヤレスイヤホンが誕生しました。最新の音響工学、音響心理学の研究成果を踏まえた音質設計。完全ワイヤレスイヤホンの新しい定番と言える製品。|高品質イヤホン・ワイヤレスイヤホン・ヘッドホン-final

上記HPの説明の通り、「最新の音響工学、音響心理学の研究成果を踏まえた音質設計。完全ワイヤレスイヤホンの新しい定番と言える製品。」という自信満々の謳い文句を掲げて2021年12月17日に発売されたTWS。

筐体内部圧力の最適化する「f-LINK ダンピング機構」なるものを装備し、防水性能を失う代わりに有線イヤホン並の自然さとアコースティックな心地よさを提供することが可能になるという。
またカスタムIEMのようなエルゴノミックな筐体設計により、優れた装着感、密着感を提供するという。
高音質・低遅延のコーデックaptX Adaptiveに対応しており、高速で高音、途切れにくいリスニングも可能としているとのこと。

まぁつまるとこ、これまでの利便性を重視したTWSとは違う音質重視のTWSだぜ、という主張の様子。
final製品あるあるの、よくもまぁここまでアピールポイントを長々と文章にできるなぁと尊敬してしまう商品説明は一見の価値あり。
とは言いつつ、筆者は読み終わった後に以下のような状態になっている。

タンジェンシャルエッジがうんたら、特殊シリコンエッジと振動板は接着剤を使用することなく直接熱圧着でうんたらとかいわれてもわからん。
あとこうまで解りにくく長々と説明して置いて、「つまり歪みの低減に貢献しています。」の一言で片付けるのは普通に面白い。

そんなfinal ZE3000のスペックは以下の通りだ。

final ZE3000
Bluetooth規格5.2
ドライバー1DD(f-Core for Wireless)
SoC不明
対応コーデックSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
操作方法タッチ
防塵防水等級IPX4
連続再生時間最大7時間
充電時間約2時間
充電端子Type-C
その他特に無し

音質特化を謳うだけあって、特殊な機能が一切無いその潔さは良し。
それが吉と出るか凶と出るか。

final ZE3000 の外観

まずは外箱。小さい。

開けるとこんな感じ。
内箱はなく、外箱を横から広げる感じ。

付属品はイヤピとType-Cケーブル。

説明書(操作説明)は上記のような感じ。
左右で捜査対象が異なるタイプ。

本体ケース。
非常に小さく、薄い。

開けるとこんな感じ。
ケースと統一された筐体デザインがかっこいい。

この幾何学的なデザインがかっこいい。
カクカクしてていいですねえ。

なんとイヤピは標準でfinal イヤーピース Eタイプ TWS専用仕様が装着。
これは嬉しい。

エッジは丸みがあるが、基本は直線のみで形成されている。
見た目的には中々に個性的であり、かっこよく、美しい。

体重測定。
イヤホン単体は4.4g、ケース込みだと41gを測定。
比較的軽い部類かと思う。

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final ZE3000 の良いところ

なんといってもデザインが良い

ケースと統一された見た目を重視したデザインがとても良い。
手触りも良く、筐体品質・加工品質も極めて高い。
また、他に類を見ない幾何学的なデザインがあまりにも個性的。
これだけで所有欲を満たしてくれる。

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final ZE3000 の残念なところ

「音質重視」を謳うにはあまりにも中途半端

中音域、中高音域は比較的クリアに出力されている印象を受ける。
しかし低音や高音があまりにも丸く、引っ込んでいる。故にバランスは悪い。
ボーカルも気持ち遠くに配置され、解像度は低くはないが高くもない。
音場は価格相応なレベル。

音質傾向はとてもフラット。
NUARL N6 Proのような薄氷のような繊細さも無ければ、CX Plus True Wirelessのようなずしりと響く重低音も無い。
見た目はとても個性的なのに、出てくる音はとても無個性。
迫力も無ければ、特徴もない。

ここが素晴らしい、という特筆点も無いので、何がどう拘って「音質重視」としているのか甚だ疑問。
余りにも中途半端であり、とてもつまらない音という印象。

高音がキレイとか、低音が心地よく響くとか、ボーカルが聞きやすいとか、そういうものも無い。
なんかこう、すごく淡々としている。

これとか最たるもの。
チルな低音も不足しているうえ、主役な女性ボーカルも沈みがち。
バランス重視、とは異なる全体的な力不足を覚える。

装着感もよく、遮音性もあり、高音の刺さりも無いし、聴き疲れもしない。
他サイトの本機レビューでよく見る意見であり、それはとてもそのとおり。
どんな音源であったとしても、TWSというレベルではとても良い品質で出力はしてくれている。
が、この価格帯で、この謳い文句で、この程度なのは、正直残念でしか無い。

取り出しづらい

本機はとてもコンパクトで薄くて軽量。
しかもさらさとした加工が全面的にされているため、手に持った時の安定感が無い、

伴って、本機ケースからイヤホンを取り出す際に、この乾燥した季節だととても取り出しにくい。
小さい上に平面の多いサラサラ加工で持ちにくいったらありゃしない。

しかも本体が結構ケース内部に入り込んで充電されてしまうものだから、取り出し箇所がとても小さい。
これが拍車をかけてケースから取り出しにくくしている。
このかっこいいデザインが仇になるとは…。

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final ZE3000 の総評

傾向としてはやっぱり「ag」。
あまりにフラット、あまりに無個性。普通のTWS。
基礎レベルはそれなりだが、「音質重視」であるとか、「有線並/有線を超える」というような謳い文句に見合っている印象は受けない。

酷評気味となってしまってはいるが、フラット好きやTWSデビューといった人にはいい感じなんじゃ無いかな。
正直、自分の中でハードルを上げすぎてしまった感はある。

デザインと音質の両方で優れたNUARL N6 Proを超えるTWSに未だ巡り会えず。
オススメあれば情報求む。

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